文豪スイング　渡辺温『或る母の話』

皆様、ご機嫌いかがでしょうか。
本日は【100】バットを振りました。

ピンクの10行を5回ずつ
【言ってバットを振り】ました。

渡辺温『或る母の話』
青空文庫より引用。出だしだけ。

　母一人娘一人の暮しであった。
　生活には事かかない程のものを持っているので、母は一人で娘を慈しみ育てた。娘も母親のありあまる愛情に堪能していた。
　それでも、娘はだんだん大人になると、自分の幼い最初の記憶にさえ影をとどめずに世を去った父親のことをいろいろ想像する折があった。
『智子のお父さんは、こんなに立派な方だったのだよ――』
　母親は古い写真を見せてくれた。
　額の広い、目鼻立ちの秀でた若者の姿が、黄いろく色褪めて写っていた。

10行にしました。

母一人娘一人の暮し。

生活には事かかない程のものを
持っているので、
母は一人で娘を慈しみ育てた。

娘も母親の愛情に堪能していた。

『智子のお父さんは、
こんなに立派な方だったのだよ』

母親は古い写真を見せてくれた。

額の広い、目鼻立ちの秀でた
若者の姿が色褪めて写っていた。