文豪スイング　　芥川龍之介『妖婆』

皆様、
ご機嫌いかがでしょうか。
本日は【100】バットを振りました。

最近「おじいさん」や
「おばあさん」に関する
文豪の文章で
バットスイングをしています。

ピンクの10行を5回ずつ
【言ってバットを振り】ました。

青空文庫より引用。
出だしだけ。

芥川龍之介『妖婆』

あなたは私の申し上げる事を
御信じにならないかも知れません。
いや、きっと嘘だと
御思いなさるでしょう。
昔なら知らず、
これから私の申し上げる事は、
大正の昭代にあった事なのです。
しかも御同様住み慣れている、
この東京にあった事なのです。
外へ出れば電車や
自働車が走っている。
内へはいればしっきりなく
電話のベルが鳴っている。
新聞を見れば同盟罷工や
婦人運動の報道が出ている。
──そう云う今日、
この大都会の一隅で
ポオやホフマンの
小説にでもありそうな、
気味の悪い事件が
起ったと云う事は、
いくら私が事実だと申した所で、
御信じになれないのは
御尤もです。

10行にしました。

私の申し上げる事を
嘘だとお思いなさるでしょう。

昔なら知らず、
私の申し上げる事は、

大正時代に東京にあった事です。
この大都会の一隅で

気味の悪い事件が起った事は、
いくら私が事実だと申した所で、

信じになれないのは
御尤もです。