文豪スイング　海野十三　大宇宙遠征隊　出だしだけ

皆様、ご機嫌いかがでしょうか。
本日は【120】バットを振りました。

夏休みということもあり、昭和16年のお子様向けのSF小説を読みながら、バットを振りました。

青空文庫より。
『大宇宙遠征隊』
海野十三（うんのじゅうざ）

噴行艇（ふんこうてい）は征（ゆ）く

　黒いインキをとかしたようなまっくらがりの宇宙を、今おびただしい噴行艇の群が、とんでいる。
「噴行艇だ！」
　噴行艇といっても、なんのことか、わからない人もあるであろう。噴行艇は、ロケットとも呼ばれていた時代があった。飛行機は、空をとぶことができるが、空気のないところではとべない。しかし噴行艇は、空気のないところでも、よくとべるのだ。艇尾（ていび）へむけ、八本の噴管（ふんかん）から、或る瓦斯ガスを、はげしく噴きだすと、そのいきおいで、艇は前方にすすむのである。

15行にして、【言って振り】を2回ずつ繰り返したので、30スイングです。

黒いインキをとかしたような、
まっくらがりの宇宙を、
噴行艇の群がとんでいる。

「噴行艇だ！」
　噴行艇といっても、
わからない人もあるであろう。

噴行艇は、ロケットと、
呼ばれていた時代があった。
飛行機は、空をとべるが、

空気のないところではとべない。
しかし噴行艇は、
空気のない所でも良くとべるのだ。

八本の噴管（ふんかん）から、
あるガスを、噴きだすと、
艇は前方にすすむのである。